大型トラック A5+90 Type009

概要
二人乗りの大型トラック車両。
荷物の受け渡しは手動で行い(A)、車両のサイズ区分は大型(5)、車速の区分は高速(時速90km/h以下)の車両タイプです。
幅広い年齢層の方がより快適に乗務可能な車両とすることを目的にしており、キャビンへの乗り込みを楽にする階段や、走行中の使用基準を考慮した仮眠用ベッド付き個室を備えています。
車両の構成は従来のトラックと同様とし、信頼性やメンテナンス性を維持しています。
ポイント
①乗り込みが楽になるキャビン前乗り階段
助手席側には、新しい設計の階段を設けています。一段一段をより広くし、前に進みながら上がる形をとることで、より昇降しやすくなっています。また、ドアの開き方を工夫し、車幅の内側での開閉範囲でもスムーズな乗降を可能にしました。これにより、隣の車両との距離が少ない駐停車場所でも乗降がしやすくなります。使用効率を高めたトラックバースや駐車場での運用に最適です。
また、運転席側には収納式ステップを設けています。乗降時にはステップが開き、走行時には閉じてボディの内側に収納されます。



②走行中でも快適な休息用個室
より快適に休息をとることができるよう、休息用個室をキャビン後部に設けています。この個室は車体に固定され、且つ壁に囲まれており、走行中にも仮眠可能な空間を確保します。
また、個室に上がるためのはしごは常時使用可能となっているため、有事の際にも速やかに脱出が可能です。
この休息室は、従来運用されている馬運車両の厩務員用ベッドや、2025年4月時点で公開されているガイドラインをもとに設計を行っており、マットサイズは長さ200cm、幅80cmとして設計されています。
ガイドラインなどの変化に応じて、改良を重ねていく予定です。



ビルトイン冷蔵庫

車内で快適に過ごすための備品のひとつである冷蔵庫を、はしご奥のスペースに設けました。
引き出し式のビルトイン冷蔵庫で、運転席と助手席の両側から使いやすい配置となっています。
また、冷蔵庫の上には収納スペースを設けています。冷蔵庫は、市販品のサイズを元に設計されています。
③メンテナンス性や信頼性はそのまま
新しい機能と引き換えに、これまでより不便になることは防がなければなりません。
下の断面図からわかるように、車両の基本となるエンジンや、車軸、荷台などの構成は現在運用されているトラックと同様です。そのため、メンテナンスなどの整備性や、実務を行う上で重要となる耐久性、信頼性などに変化はありません。また、カメラ映像と物理ミラーの使い分けや、それらの配置など、完全自動運転への過渡期に応じた使い分けを提案しています。
これまでの車両から変化する点として、キャビンの形状による空力性能の向上が見込まれます。左右非対称のデザインのため不安定に見えますが、キャビン左側に設けられた補助翼(屋根)の働きによって直進安定性が確保されています。

